導入事例

「健康日記」アプリと関連ツールを使って新型コロナウィルス感染症(COVID-19)対応を行った事例を紹介します。

保健所での濃厚接触者向け健康観察の業務効率に貢献

導入団体和歌山市保健所 様
導入時期2020年3月~
ご利用の目的クラスター発生時の濃厚接触者の健康観察
健康観察対象者数約80名

導入のきっかけ

和歌山市保健所長の松浦英夫氏が和歌山県立医科大学の非常勤講師として教鞭を執っていることもあり、 和歌山県立医科大学の竹下教授のご紹介で「健康日記」アプリが開発されたことを知りました。 早速、「健康日記」アプリを使った一連の管理ツールの開発リーダーである和歌山県立医科大学の山本准教授にご説明を受けたところ、 特に新しい機器やシステム等を導入する必要もなく、また費用もかからないということですぐに導入を検討しました。

山本 景一 准教授
開発を主導された 山本 景一 准教授

導入しやすい仕組み

保健所や自治体のITセキュリテイは非常に厳しく、アクセスには制限が多いです。 外部サーバーの利用やSNSを使ったやりとりは難しく、また健康観察では個人の健康に関わる情報を扱うので慎重に管理する必要もあります。 そこで、メールを使ったデータ受信とローカル環境で使えるエクセルによるデータ集計という仕組みは決め手のひとつになりました。 特にシステムの導入やセキュリテイポリシーの変更なく、馴染みのあるツールだけで運用することができたからです。 また「健康日記」アプリに入力した個人の健康情報は本人の意思なく外部に送信されることはなく、基本的には健康観察対象者のスマホだけに保存される仕組みです。 このような特徴から内部のコンプライアンス委員会への付議も差し支えなく、導入がスムーズに進みました。

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背景と課題 -クラスター発生とひっ迫する現場

「健康日記」アプリ導入前は、保健所の職員が毎日電話で濃厚接触者の健康観察を行っていました。 2020年3月5日に大阪のライブハウスへ行った和歌山市内の女性がPCR検査で陽性と判明し、勤務先の約80名の濃厚接触者に対して14日間の健康観察を開始しました。 毎日保健所職員4名が手分けして濃厚接触者全員に電話での聞き取りを実施していましたが、対応に限界がありました。 人員不足の中、濃厚接触者の方々の電話応対可能な時間帯が限られていることもあり、 電話がつながらなかったり、先方の都合が悪いときにかけて聞き取りに支障をきたすこともありました。 聞き取りした内容はその場でメモを取り、それをもとに一覧表を作成するにも、 写し間違いがないよう2重チェックをする手間が生じるため、その日の結果をまとめ終わるのは夕方までかかることもありました。 健康観察以外にも多くのご相談や検査の段取りから病院の手配まで様々な業務に忙殺され、現場はひっ迫し、職員は疲弊していました。

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業務効率化が実現

このように現場がひっ迫する中、「健康日記」アプリと一連のツールを導入したことで抱えていた課題が目に見えて改善されました。 濃厚接触者ご本人から健康観察データを送ってくれることでお互いの負担が減り、一覧表作成時にも転記漏れや集計の手間も少なくなりました。 電話をするのも(スマホをお持ちでない方や電話での聞き取りを希望される方を除き)当日決められた時間にメールが届かなった方だけに限られるので、一人で対応ができるまでになりました。 業務効率化で生まれたリソースは他の業務に振り分けることができ、保健所の体制強化にもつながりました。

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